手紙を書くということ
こんにちは。
卒論、書かないと…書かないと…と思っていたら、苦しくなりました。
そして、3日間寝込む風邪をひきました(笑)
体は正直です。(いえ、自己管理がなっていないだけですね。)
書かなければならない、しなくてはならない、ことをするのが
本当に苦手です。この上なく苦手です。
ですので、「やりたいこと」に変換するようにしてみました。
なんで今まで気づかなかったのか不思議ですが、ちょっとうまく気持ちの制御ができるようになりました。
「卒論=せねばならないこと」
ではなく、
タヒチまで行っていろんな人にお世話になった私は
「卒論=どうしても完成させたいもの」
だろうと。
指導まで受けながら、書かせてもらえる環境に感謝しながら、この3週間くらいもがいてみようと、いえ、もがきたいと、思いました。
その大きなきっかけがひとつ、手紙を書いたことです。
タヒチにお手紙を出しました
クリスマスカードをフランス語で書いて、お世話になった皆さんに送りました。
残念ながら住所を聞くことができなかった人たちにはメールでしたが…。
フランス語のできるお友達に協力してもらって、書き上げることができました。
郵便局に行くと、
「ポリネシア……?ちょっと待ってくださいね」
「あ、いえ、正式名はフランス領ポリネシアかと…」
「え?なんて?正式名は??」
「フランス領……」
「あ~~フランスね!……ないねぇ……。どここれ……」
という具合で、しばらく待ちました。
遠い島へ手紙を出すって、こんなにワクワクするのかと、感動しました。
誰も知らない(知っていてほしいけど)小さな島に、大切な人たちがいるということが、誇らしくて嬉しくて仕方ありませんでした。
一方で、私の背負った責務のようなものを、いっそう大きく感じました。
私書箱に手紙を出す
タヒチ島にお手紙を出すときには、住所ではなく、郵便局の名前と、私書箱の番号を書きます。
インタビューをした時に、「住所をおしえてください」と言うと、
おじさまたちが「う~んなんだったかな…」と言って、奥さんを呼んでくるという光景が何回か見受けられました。
うちの父と母を見ているようで、少しおかしかったです(笑)
私書箱の番号がない人もいました。
番号がないのか、覚えていないのか、なくても届くのか…。
少し不安ですが、名前と、わかる限りの情報を書いて出しました。
中には、「○○郵便局から東に◎◎m」というような書き方もあって、
住所にもいろいろあるんだなぁとおもしろかったです。
ピスタチオの木はどこだ
住所がないので、インタビューできる人を探すのにも一苦労でした。
私が苦労したというよりも、滞在先のおじさんが、農作業の時間や自分の仕事の時間をつぶして人探しをしてくれて、お姉さんがトラックを運転して走り回ってくれたのですが。
人の名前が分かっても、どこに住んでいるのかを特定するのは、簡単なことではありません。
まず、その人の住んでいる村に行ってみる。
そこで出会った人に情報を求める。
簡単な地図や、より細かい情報をゲットして、またトラックを走らせる。
「ここから先に行ったところの大きな橋をわたってすぐ」
というようなものから
「ピスタチオの木を右に入る」
「タピオカ畑が見えたら…」
「大きなマンゴーの木を…」
というようなものまで、情報はさまざま。
とても時間と労力と手間とガソリン代のかかることで、私も何かできることがあるかと考えましたが、
私には木の名前もわからず、言葉も使えず、ただただトラックの真ん中に座っているしかなかったのでした。
申し訳なくて情けなくて、心臓がしぼんでしまいそうでした。
↑関係ないですが、気に行っている写真をひとつ。植物がとても豊かです。
手紙を書くということ
そうして出会ったみなさんに、自分の字で手紙を書くということは、意味深いものがありました。
私はフランス語ができないので、訳してもらった言葉を一字一字間違えないように綴っていく。
言葉のひとつひとつの意味を確かめながら、ペンをすすめていく。
私の気持ちが届くのかどうかは、わかりませんでした。
私はいつも日本語で手紙を書くとき、語尾や語感で伝えようとしているのであり、言葉そのものよりも、雰囲気のほうが大きいのではないだろうかと気づきました。
うっかり綴りを間違えそうな、ひょっとすれば一行とばしてしまいそうな、おっかない書き方で出来上がった文面は、
一行がガタガタとずれていて、少々みっともないものばかりになってしまいました。
この、不慣れな手紙を、みなさんが受け取ってくれますように。
そして、今度は、きちんと書いた文章を持って、会いに行けますように。
文字を書きながら、一人一人との会話や、一人一人の顔が浮かんできて、
その時に頂いたお叱りや、アドバイスも蘇ってきて、
恥ずかしくていたたまれなくなったり、一緒に撮った写真にうるっとしてしまったり。
自分の手を動かして、自分の足を動かして、そうして触れるものたちが、愛おしい。
そうして心を寄せる人たちを、愛したい。
たとえ言葉がわからなくても
手紙を書くということが、豊かに記憶を蘇らせるのだなぁと。
私の気持ちもインクと一緒に染み入ってほしいなと思いました。
↑パペーテ(タヒチ島の中心部)に一人で降り立った時に、不安で仕方がなくて海岸に座ってバナナをかじった。おじさんが「もってけ」と言ってたくさん袋に入れてくれた甘いバナナ。おいしかったなぁ。そのまま見上げた光景が美しくてパシャリ。バナナの皮は、そのまま木の陰にぽいっとコンポスト。
と、いうわけで、
頑張って書かなければ…いえ、書きたいっ!!!!