わたしがコリアに行く理由
明日から韓国に行ってきます。
JENESYS2015のプログラムのうち、日本大学生韓国訪問団の一員として行ってきます。
詳しくはコチラ。
事前アンケートにこんな問いがありました。
「あなたの韓国とのはじめての出会いはいつですか。」
とても良い質問だと思った。
いつだったかなぁ。
遡ること、17年前、小学校1年生。
学校の先生が「チマ・チョゴリ」を教えてくれました。
今でもくっきりと覚えてる。
薄い桃色のチマと、濃い紫色のチョゴリ。
着てみたくて触ってみたくて、順番が待てなかったのも覚えてる。
どうやって着るのか、自分がどんな姿になるのかわくわくしたのも、思い出せる。
それがわたしの韓国とのはじめての出会いでした。
韓国だけでなくてコリアというのが身近になったのは、大学に入ってすぐのことでした。
SNSでバイオリンが弾けるひとを募集していて、何気なく「弾けますよ」とこたえたのがきっかけ。
そこから『コントラプンクト』というアンサンブルグループに所属することになりました。
コントラプンクトというのは、音楽用語で「対位法」という意味です。
複数の旋律を同時に奏でてひとつの音楽をつくりあげる。
どの旋律が伴奏ということもなく、主役。
コリアと日本とが、融合してきれいな旋律を奏でるようなそんなグループでありたいという思いが込められています。
『コントラプンクト』では、コリアンの楽器(例えばヘグムとかカヤグムとかチャンゴとか)と西洋の楽器(バイオリンとかビオラとかチェロとか)でアンサンブルをします。
(よかったらまたコンサート来てください♩)
初めてのミーティングに行ってみると、朝鮮半島の楽器がずらりと並んでいました。
そこからどうやるのかわからないけれど、それぞれの持つビートと特徴とを活かしながら音楽をつくっていく。
難しいことも結構沢山あったんだけど、コリアンの古来のサムルノリと、西洋のリズム感とを活かしながら音楽をつくっていく。
それが本当におもしろかった。
私は決してバイオリンが上手に弾けるわけじゃないけれど、とにかくおもしろかった。
『コントラプンクト』がするのは演奏活動だけではありません。
音楽を通じて、濃密な国際交流をすることも活動のひとつです。
コリアンの楽器を演奏するメンバーは在日コリアンです。
音楽を通して初めて「在日コリアン」という言葉がわたしの中に浸透しました。
自分たちのルーツについて、あれやこれやといろんなことを話しました。
「在日コリアン」という人たちは私にとっては大事でかけがえのない人たちになりました。
私はとにかくメンバーの演奏するコリアンの音楽が好きです。
本当に好き。とても美しい。
聴いていると体の芯からトロットロにとろけて音のなかに流れていきそうなくらい。
本当に好きなんです。
『コントラプンクト』はたくさんのコリアン音楽を演奏してきました。
わたしもいくつか演奏しました。
コリアン音楽のひとつの音を、わたしが奏でられることに、この上ない幸福感をもっています。
その音楽はどこからくるんだろう。
彼らが口ずさみ、私が演奏してきた音楽はどんなところでつくられたんだろう。
どんな空気を吸って、どんな土に根差して生まれたんだろう。
大事な大事なメンバーの祖国は、どんなところなんだろう。
コリアに行ってみたい。
そんな思いをずっと抱きながら生活してきた大学生活の終わり。
ひょんなことから政府派遣団の一員として韓国に行くことが決まりました。
派遣団に応募したときに提出したエッセイにこんなことを書きました。
韓国の民謡『アリラン』と、日本の民謡『赤とんぼ』は同時に演奏することができます。
ふたつの旋律がぶつかり合うことなく、穏やかに流れていきます。
(うまく言葉で説明できないのでYou Tubeで見つけたコチラを参考にどうぞ)
音楽や民謡って、生まれ育った地域とか、周りにいる人たちの影響をすごく受けると思うんです。
コリアと日本とで根底に流れる二つの旋律が、一緒にきれいな音楽をつくることができるって、すごく大きな可能性を秘めていませんか。
今日、オリエンテーションで引率の先生が
「偏見や先入観は捨てて!あなたの感性で受け取ったものを受け取ってください」
と言っていました。
明日から私が感じるひとつひとつのことを大切に日本に持って帰りたいと思います。
わたしは土を踏むことを大切にして生きていきたいと思っています。
大切な人たちのルーツである土地に自分の足をつけること。
そこから何か伝わってくる気がするんです。
土はすべてを覚えている。
そんな気がするんです。
行ってきます!